戦略・ビジネスモデル
戦略と戦術の違いがわかればビジネスは成功する
当サイト名にも掲げている「ウェブ戦略」。戦略とは、どのような意味なのか。「経営戦略」や「マーケティング戦略」などビジネス用語としてはよく使われる言葉ですが、間違えた解釈をして「戦略」をたててしまうと、その結果も間違えた方向に向かってしまいます。また、「戦略」に似た用語に「戦術」があります。この「戦略」と「戦術」は密接に関係して、ビジネスにおいて計画を練る上で、わかりやすい概念としてよく使われています。
戦略と戦術の言葉の由来
「戦略」と「戦術」という用語は、「戦」という言葉があるように『孫子の兵法』に由来する軍事用語です。戦略と戦術について孫子は、戦術は具体的でわかりやすいが勝利のため描いた戦略を理解できる者は少ないといい、戦術は具体的でわかりやすいが、戦略も重要で、戦略と戦術のどちらをとるかではなく、戦略と戦術の両方を操ることあると説いています。
簡単に戦略と戦術の違いを表すとこうなります。
- 戦略=目的
- 戦術=手段
より分かりやすい言葉で例えると
- 戦略=幸せになること
- 戦術=お金を稼ぐこと
目的(戦略)の「幸せになる」ため、手段(戦術)として「お金を稼ぐ」となっています。
幸せになるための手段はさまざまですが、「幸せになる」たとえば余裕のある生活を送る、自由に旅行や好きなことをする、生きがいに投資するなどの目的を達成する手段として「お金を稼ぐ」になります。
「幸せになる」という目的のため、手段として「お金を稼ぐ」ことをしていますが、「お金を稼ぐ」ために残業して、寝る間を惜しんで「お金を稼ぐ」ことによって健康を害してしまったら、「幸せになる」目的からは外れてしまいます。そのため、目的に対して手段も軌道修正して「時間的なゆとりがある働き方をしてお金を稼ぐ」となります。
手段(戦術)は、数ある方法のひとつになるため、目的(戦略)に対して手段を変えたり、内容を見直したりすることができます。
戦略と戦術、目的と手段が入れ替わると失敗する
目的(戦略)と手段(戦術)はそれぞれ掲げる内容として、戦略に向ている内容と、戦術に向ている内容があります。先ほどの例であげた手段(戦術)が目的(戦略)になると、どうなるかをみてみましょう。
- 戦略=お金を稼ぐこと
- 戦術=儲かるという怪しいネットビジネスに手を出してみた
目的(戦略)が「お金を稼ぐこと」になるため、戦術としてあげられる手段はたくさんあると思いますが手段として「さまざまなお金を稼ぐ方法」が出てきます。
「お金を稼ぐこと」が達成できればいいので、「お金を稼ぐこと」に手段を選ばず、残業して、寝る間を惜しんで「お金を稼ぐ」ことばかりを追いかけてしまうことも考えられます。
「お金を稼ぐこと」がゴールなので、その先に何があるのか、目的を見失っていると言えます。
ビジネスにおける戦略と戦術
ビジネスにおいて戦略とは何か、それは「投資と回収」になります。持っている資金を投資して、利益を生み回収することが資本主義でのビジネスの根幹にあたり、経営の目的になります。
顧客の問題を解決し、利益を得て、雇用を生み、税金を払い、社会に貢献し、資本を動かすことが資本主義社会のシステムの原理です。
つまり、ビジネスを行うのであれば、資産を増やすことが戦略になります。
戦略に対して、戦術は、具体的にいつ誰がどのように何を実施するのか?という再現性のある仕組みとその運営する方法です。
では、ビジネスにおける集客はどこに位置するのか。集客は戦術のひとつであり、戦略を実現のためひとつの要素です。
そのため、「集客」そのものを目的である「戦略」としてしまうと、「集客」することが目的となり、「集客」する方法ばかりに気を取られ、「ビジネスにおける戦略=投資と回収により利益を生むこと」を見失ってしまう可能性が出てきます。
集客に悩んでいる場合、なぜ集客が必要なのか、集客を目的とせずに手段のひとつとして、自分が何を成し遂げたいのかを見つめなおすよい機会かもしれません。
また、ビジネスにおいての戦略と戦術は、経営戦略やマーケティング戦術など、掘り下げる内容がありますので、それらは今後の記事で紹介したいと思います。