ウェブデザインは集客効果に関係ない

ウェブサイトの制作時に良いデザインにすることで商品やサービスがすぐに売れると考えている方は決して少なくありません。

しかし、「ウェブサイトのデザインで商品やサービスが売れている」と結びつけてしまう事は間違いです。

勘違いしやすい内容ですが、まずはウェブサイトにおいて「デザイン=売れる」ではないことを念頭に置いてください。

デザイン性で商品やサービスが売れるのは、顧客が商品やサービスそのものにデザイン性を求めているからです。つまり商品であればアートや芸術作品、音楽やファッションなど身に付けるもの。見た目や機能的なデザインを念頭に置いた雑貨やインテリアなどが挙げられます。

つまり顧客から見てウェブサイトのデザイン性はあまり重要でなく、その先にある商品やサービスそのものについて知りたいと言う目的が根底にあります。

言い換えるとウェブサイトのデザインとして採用している色が赤か青かの違いは利用者にとってはあまり重要ではなく、むしろどちらでも良いと思うのが自然で、デザイン性の違いによって集客効果はあまり変わらないと言うことです。

それならばデザインは必要ないのか?と思うかもしれませんがデザインすることは必要です。

ここが勘違いしやすいポイントで、矛盾しているように感じるかもしれませんが、それはなぜなのかは、デザインと言う言葉が持っている二面性が原因です。

日本人が認識しているデザインと言う言葉の意味には2つの意味合いがあります。

  • 芸術
  • 設計

前者の芸術として解釈すると依頼するクライアントやデザイナーの好みが反映され、ウェブデザインにアート作品のような感情に訴える印象を求めてしまう傾向があり、集客とは関わりのない表現を採用してしまう可能性が高くなります。

後者の設計として解釈すると、設計とはある目的を達成するために色彩や視覚的表現を洗練させる事になるためウェブデザインとしてはこちらを重要視することが求められます。

ウェブデザインとして求められているデザインとは、アート作品のような芸術性よりも、ウェブサイトを利用する顧客に対して商品やサービスの価値をわかりやすく、より魅力的に表現するための設計であることが本質といえます。

ウェブデザインにて、どのようなデザインを採択するか検討している時、自分の好みで悩んでいるアート的な要因なのか、利用者の立場に立って機能性や表現方法を悩んでいる設計の要因なのか、どちらの立場からデザインについて検討しているのかを明確にしておく必要があります。

場合によってはアート的な要素も必要な場合がありますが、必ず目的があって設計し、検討しているデザインがどのような目的で、どのような役割を果たすのかを議論して表現することが大切です。