パソコンひとつで業務が止まる会社に、未来はない。

なぜ、パソコン1台の不調で、会社全体が止まるのか?

社員が「パソコンが動かない」と言ってきた日、
あなたはどれだけ業務に支障が出るか、把握しているでしょうか。

Wi-Fiの不調、メール送信のエラー、共有ファイルが開かない──
それだけで、社員も対応に追われて、本来行う業務や報告が止まり、請求書が出せず、顧客対応も遅れる。

原因は明白です。
“ITに依存しながらも、使いこなす準備が整っていない”
そして、その状態を放置しているのは、経営の怠慢です。


ITリテラシーの問題ではない。「判断できない組織構造」が問題である

「うちにはITに詳しい社員がいないから仕方ない」
「そもそも小さな会社だからIT化はまだ早い」
そう考えている経営者が少なくありません。

だが、それは大きな誤解です。
問題は、“誰かが詳しいかどうか”ではありません。
「誰が抜けても、判断と対応が止まらない仕組みになっているか」──そこが問われているのです。


判断が遅れる会社に未来はない

経営者の仕事は、決断すること。
その決断が1日遅れれば、1週間後の売上に響く。
決断が間違っていれば、1か月後の資金繰りを狂わせる。

そして、最も怖いのは「何も決められない状態」に陥ることです。

「なぜ売上が下がっているのか分からない」
「今月の利益がいくら出ているのか分からない」
「社員が忙しそうだが、何に時間がかかっているのか分からない」

こうした“見えない状態”を放置したまま、次の打ち手を考えることはできません。
判断の材料が揃っていない経営は、暗闇でハンドルを切るようなものです。

事例:社員一人の退職で“止まった会社”

ある中小企業では、たった一人のIT担当が退職したことで、
・メールアカウントの再設定ができない
・データのクラウド復旧に1週間以上かかる
・経理システムへのログイン情報が不明で、支払いが遅延

という状態に陥りました。

その結果、社内の業務が滞り、クライアント対応にも影響が出て、
取引停止が発生。わずか数週間で数百万円の損失を出したのです。

何が問題だったのか?
ITに詳しい人が辞めたことではありません。
「その人が辞めれば止まる」という体制を放置していたことが問題なのです。


“IT整備=パソコン導入”という誤解が招く損失

「パソコンは新しくした」
「クラウドは使っている」
「LINEで連絡は取れる」

それで“ITが整備できている”と思っているのであれば、危険です。

経営に必要なのは、「判断できる情報が整い、誰でも再現できる仕組み」です。
ツールやデバイスは単なる道具に過ぎません。
それをどう使い、どう判断に活かすか。そこに投資しなければ、成果は生まれません。


経営者が最初にやるべきことは、“可視化”である

まずは、次の問いに答えてみてください。

  • 月次の売上・利益・経費は、日次で見えるか?

  • 社員の業務状況は、定量的に把握できているか?

  • 機器の不調時、誰が、何を見て、どう動くか明確になっているか?

もし、ひとつでも曖昧なら、判断できない組織に片足を突っ込んでいる状態です。


小規模事業でも導入すべき、3つの実行ステップ

1. IT業務を属人化させない
  • 初期設定・復旧対応・ファイル管理などを“誰がやっても対応できる”ようにマニュアル化。

  • できれば紙とクラウド、両方で共有しておく。

2. 業務の「見える化」を最優先にする
  • 売上・原価・進捗・在庫など、判断材料となる数字をリアルタイムで見られる仕組みを整備。

  • Googleスプレッドシートや会計クラウドでも十分対応可能。

3. 外部パートナーと連携する
  • “社内で何とかする”は、今の時代ではリスク。

  • 月額数千円〜でITの伴走支援をしてくれる外部パートナーを活用し、「止まらない会社」をつくっていく。


情報が止まれば、経営が止まる

今、あなたの会社は“たまたま止まっていない”だけかもしれません。
パソコンが壊れれば、誰かがいなければ、すべてが止まる構造で動いている。
それは、もはや時間の問題です。

経営とは、「決めること」。
そして、決めるためには、情報と仕組みがなければ成り立ちません。

経営者の仕事は、迷わず、遅れず、的確に判断すること。
判断を支えるのがITであり、そのITを整えるのが、経営の役割です。

あなたの会社は、“止まらない会社”になっているでしょうか?
もし不安があるのなら、今すぐ見直すべきです。
“使える人”を探すのではなく、“使える仕組み”を作る。
その決断こそが、次の未来を切り拓くスタートになるはずです。